インタビュー企業の方へのインタビュー　

業界全体で人手不足が慢性化しているように感じる

ここしばらく流通業界では、社員の採用にとても苦労している状況が続いています。弊社においても新卒者や中途の正規・非正規採用を含め、なかなか人が集まらない状況にあります。ハローワークに求人をお願いをしたり、いろいろなメディアを使って募集はしていますが、なかなか反応が鈍いのが現状です。業界全体において人手不足が慢性化しているように感じています。現在は何とか人繰りがついている状況ですが、これから5年後、10年後を考えた時に、弊社を背負っていく若い人材が不足していることに不安を感じることは否めません。

就職氷河期世代が重要な部門を担う

弊社で主たる部門を担っている社員は40歳代が一番多く、まさに就職氷河期に採用となった人材が幹部として活躍しており、次の世代やそれより若い年代をどのようにして採用し、教育していくかが、今われわれに課せられた問題点と認識しています。

社員のキャリアアップの支援について

弊社では、新卒者の採用や氷河期世代などの中途採用者（正規社員）について、適性を考慮した配属を実施しており、年に1度「職務評価面談」を行った上で、業績に応じて上位等級に昇格するキャリアプランを設けております。また、ファミリー（パート）社員などの非正規社員についても、毎年登用試験を実施し正規社員として登用しており（勤務実績や推薦で受験可となります）、待遇面等の改善を行っています。

小澤チーフは新人等の教育に高いスキルを有しています

今回推薦した就職氷河期世代の小澤大樹チーフについても、当時就業していた仁井田南店の店長からの推薦でこの登用試験を受験して正規社員となり、現在は新屋店の農産部門のチーフとして活躍してもらっています。彼は異業種からの転職で食品スーパーの経験がなかったものですから、自身が流通業界でやっていけるという意識をジャッジするために、非正規社員として採用しました。

その後、現場で店長を始め、部門に係わる上司や先輩からOJT形式で仕事を学び、農産部門のチーフになる前から部門管理者的な立場で仕事をしてもらいました。また、彼は新人教育についてのスキルが高く期待が大きい人材で、今後は農産部門以外の他の部門も経験した上で、近い将来、店舗のリーダーとしてその能力を発揮してもらいたいと思っています。

就職氷河期世代の転職や採用には違和感はない

就職氷河期世代を特に意識して採用している状況にはないのですが、個人的には、弊社は俗に就職氷河期と言われる就職環境の厳しい時代に優秀な人材を多く採用できたと思っております。現に40歳代などの当該年代の社員が幹部や店舗の統括として多く活躍しています。この意味においても、就職氷河期世代の転職や人材の採用について違和感はなく、職場でもそうした方々に悪いイメージは持っていません。

また、われわれの業種は販売部門だけでなく、製造部門や販売促進部門などいろいろな部門がありますので、その中で今まで経験してきたことを活かせる場面も多く、流通業界にも就職氷河期世代の転職者等を受け入れる要素が十分あるのではないかと思い、国の就職氷河期世代の活躍支援には期待感があります。

地域に必要とされるナイスに向けて

弊社は一貫して“お客様本位の店づくり”をモットーとして、ワンストップショッピングという考え方のもと、一つの店舗でお客様の買い物が完結するというイメージで「便利な大型店舗づくり」を追求し成長してきました。ただ昨今は、シニアのお客様の来店が多く、より買い回りのし易い売場、視認性の良い売場づくりを目指しております。これに加え、他店との差別化として「ナイスでしか変えない商品」を見つけ出し、お客様に提案していく楽しい売場づくりにも力を入れております。

また、高齢化の加速や共稼ぎ世帯の増加を背景として、６年前から取り組んでいる「ネットスーパー」の定着を図り、リアル店舗との併用によりお客様の利便性の一層の向上に努めるなど、これまで以上に地域に必要とされるナイスになるべく施策を展開しています。そのためにも“企業は人なり”との原点に立脚して、社員の人材育成への取り組みをさらに強化するなど、現場の意見等を吸い上げ適切な施策を展開できる強固な社内体制を構築したいと考えております。